
「画像一つで3,000万円」
一般庶民の感覚からしたら、高額すぎるともいえる取引が当たり前に行われているCryptoPunksは、そんなに素晴らしいコンテンツなのでしょうか。
引用元:LarvaLabs
どこからどう見ても、このドット絵に数千万の価値があるとは思えません。
こんなコンテンツを買うなら家や高級車でも買ったほうが自分のタメになりそうですよね......。
じゃあCryptoPunksは、お金持ちが暇つぶしに買っているんだろうと思いきや、
決済会社であるVISAも購入しています。
どんな投資価値があって、なぜ投資家たちがCryptoPunksを買うのか。理由を解説するので、この記事を読んで疑問を解決してください。
目次
CryptoPunksがタダでもらえる時代があった
引用元:LarvaLabs
投資価値をよーく理解するために、‘’そもそもCryptoPunksとは何か“を知っておきましょう。
CryptoPunksは、AIが性別や髪型、アクセサリーなどをランダムで組み合わせて作成したアイコン画像。それぞれが1点モノのNFTです。
NFTとは、デジタルデータを「唯一無二のモノ」と証明できる仮想通貨の一種。不正や改ざんをされる心配がなく、自分だけが持っているという所有欲を満たしてくれます。
CryptoPunksは、合計で10,000枚しかありません。世界中で持っているのが10,000人以下と考えると、かなり希少なNFTですね。
しかし、プロジェクトの開始時の2017年ごろは、タダで配布されていました。
実は、CryptoPunksが出た当時は、NFTがほとんど知られておらず、認知されるきっかけがあまりなかったのです。
NFTブームが価格高騰を後押し
コロナ禍への対策として、世界各国が金融緩和を実施。
そのお金が仮想通貨へと流れ込み、2020年の後半〜2021年の前半にビットコインの価格が急騰しました。
ビットコイン以外の仮想通貨価格が上昇し、仮想通貨投資がブームに。そのブームに引っ張られるように、NFTも注目され始めます。
NFTに興味を持った人たちによって、取引が繰り返され、徐々にCryptoPunksの価値が上がりました。
その後、NFTが高額取引されたことが話題に。
以下のようなインパクトのあるニュースを見て、NFTを知った人も多いでしょう。
- NFT化されたデジタルアート作品が75億円で売れた
- Twitter開発者のツイートがNFT化され、3億円で落札された
NFTも注目が集まり、最古のNFTとしてCryptoPunksを購入する人も増えました。欲しがる人が増え、価値が高騰、現在の価格になりました。
無料で配られていたCryptoPunksが、今では一番安くても3,000万円ほど。
9枚しか発行されていない宇宙人のCryptoPunksは、なんと17億円の価値があります。(2022年1月時点)
引用元:LarvaLabs
とはいえ、使い道なんてSNSのアイコンにするくらいしか思いつきません。
本当に投資価値なんてあるのか、と疑いたくなります。
もちろん、SNSのアイコンにしてドヤ顔をするためだけに、買ったわけではありません。
投資家が投資をする理由は、リターンがあるから。
実は、CryptoPunksには、たくさんの付加価値があります。
社会的なステータスになる
引用元:LarvaLabs
世界に10,000枚しかない希少なNFT。欲しくても、高すぎて手に入れられません。
「そんな貴重なNFTを持っているのはどんな人だろう」と、所有者にも興味がわきますよね。
- CryptoPunksを持っている人とつながっておきたい
- どんな人か知りたい
- 有益な情報や最新の情報が得られそう
などなど、いろんな目的を持った人が、CryptoPunksの所有者に集まります。CryptoPunksをアイコンにしてSNSをやっていれば、フォロワーも増えて、影響力も次第に強くなっていくでしょう。
※購入していないのに、CryptoPunksの画像をアイコンにするのはNGです。誰が所有しているか、記録は残るのですぐにバレますよ。
今はまだ、NFTが一般に広まってないので、CryptoPunksが持つ影響力はNFTのコミュニティ内だけ。
しかし、みんながアイコンをNFT化ほどの時代になれば、芸能人並のインフルエンサーになる可能性もあります。社会的なステータスを獲得できるNFTなのです。
こういった恩恵も、CryptoPunksが持つ付加価値の1つです。
VISAの狙いはNFT事業への進出?
【VISA公式Twitterより、NFTに参入した証としてCryptoPunks#7610を購入したことを発表】
Over the last 60 years, Visa has built a collection of historic commerce artifacts - from early paper credit cards to the zip-zap machine. Today, as we enter a new era of NFT-commerce, Visa welcomes CryptoPunk #7610 to our collection. https://t.co/XoPFfwxUiu
— VisaNews (@VisaNews) August 23, 2021
CryptoPunksを購入する企業にも、メリットはあります。
VISAは、CryptoPunksを購入した理由を「直接購入してNFTについて学びたかったから」とブログで発表。
また、「NFTクリエイターやアーティスト、コレクターをサポートしたい」という意思を示していました。
購入から2ヶ月後の2021年10月には、NFTアーティストとも提携。本格的に、NFT事業を始めました。
しかし、VISAのCryptoPunks購入は、NFTコミュニティに対するアピールとも考えられます。
- NFTに可能性を感じているよ
- NFTの発展に貢献するよ
こういう姿勢を示しておけば、VISAがNFT事業を始めたとき、支援してもらいやすいからです。
ただ「NFT事業に参入します」とニュースや公式サイトで発表しても、それほど注目は集めません。
しかし、“高額で最古のNFTを買う”のは、かなりインパクトが大きい出来事。
「おっ、VISAはNFTに本気で取り組むんだな」と伝わり、支持を得られます。
CryptoPunksの購入によって、VISAは一定の支持者を獲得した状態でNFT事業を始められるようになった、という見方もできます。これがVISAの狙いの1つかもしれません。
CryptoPunksを持っていると、ステータスや影響力を得られると聞いて。「ちょっと欲しい!」と思えたのではないでしょうか。
でも、数千万の価値にはまだ納得できないですよね。
CryptoPunksには、もっとお得な付加価値があるのです。
CryptoPunksの所有者はVIP待遇が受けられる?
付加価値とは、「VIP待遇」や「特別扱い」が受けられる権利。
どんな待遇なのか?
具体的には、裏コミュニティへの参加や、新しいプロジェクトの優先利用権です。投資家やVISAが、CryptoPunksに投資する狙いはコレ。
クローズドなコミュニティへの参加
引用元:BAYC
「一部の人しか参加できない裏コミュニティ」と聞くと、そそられますよね。
NFTは所有するだけでなく、コミュニティへの参加権にもなります。
引用元:BAYCクラブ
猿でおなじみのNFT、Bored Ape Yacht club(BAYC)。
最低でも2000万円以上はする高価なNFTですが、NFT自体が会員カードの役割を果たしています。
この猿のNFTを持っていないと、BAYCクラブへ入れません。所有者は、限定のDiscordチャンネルへと招待されます。
チャンネル内では、新作NFTの情報を得たり、所有者同士で交流したりできます
そのコミュニティでしか生まれない人脈やプロジェクトが生まれたり、有益な情報が得られたりするでしょう。
仮想通貨業界では、情報がかなり大事です。嘘の情報もそこら中にあります。
特定のNFTの購入者だけのコミュニティなら、有益な情報も得やすいはず。会員制のコミュニティは、情報収集の場としても価値があります。
残念ながら、CryptoPunksの専用のコミュニティは今のところ確認できていません。
しかし、CryptoPunksを持っていないと、入れないコミュニティが作られる可能性は十分にあります。
プロジェクトの優先利用
限定コミュニティへの参加に加え、プロジェクトを優先利用できる権利が与えられます。
高額かつ最古のCryptoPunksを購入した事実が、信用できる材料になるからです。
すでにCryptoPunksの所有者が優先されているサービスがあります。
NFTを担保にしてお金を借りられるサービス、「JPEG’d」。担保にするNFTの価値に合った、金額を借りられます。
JPEG’dでは最初に、CryptoPunksの所有者を対象にすると発表しました。
【CryptoPunksを担保に、お金の貸し借りができることを発表】
@JPEGd_69 is integrating custom-built #Chainlink Price Feeds to obtain the time-weighted average price (TWAP) of sales & floor prices of a filtered set of #CryptoPunks, enabling JPEG'd to create a novel lending/borrowing platform with NFTs as collateral. https://t.co/4E7OJDMZ8p
— Chainlink - Official Channel (@chainlink) September 30, 2021
その後、BYACなどの人気のNFTを対象にする予定のようです。
他にも、仮想空間内の美術館や展示会。そういったイベントへの貸し出しも、CryptoPunksが対象になります。
最古のNFTなので、CryptoPunksがあるだけで展示イベントに箔がつきますよね。
所有者は貸し出す代わりに、レンタル料をもらうことも...。
引用元:reNFT
CryptoPunksを持っていると、NFT関連プロジェクトの先行体験ができます。
「新しい取り組みに真っ先に参加できる」というのは、魅力的ですね。
特に、CryptoPunksを持っているような人は、新しいもの好きのはず。
「時代が変わるような革新的なプロジェクトを体験できるかもしれない。」
VISAも、そんな将来の可能性に投資しているのかもしれませんね。
CryptoPunksは、将来的にNFTとしての価値が上がる可能性も高いNFT。資産として所有する価値もあります。
普通のNFTにはないたくさんの恩恵を受けられるから、数千万以上を投資しているのです。
CryptoPunksは永続的に所有できるNFT
さらに、CryptoPunksは失う可能性も低く、ずっと所有できる資産です。
実は、一般的なNFTは、画像自体を安全に保管できる仕組みではありません。
「NFTは、ブロックチェーンって技術で安全に保管している」と思われています。しかし、安全に保管されているのは、「画像がある場所を示す情報」です。
画像自体は、外部のファイルに保存しています。
保存先の画像データがなくなったり、違うデータに置き換わったりする危険性は十分にあるのです。
つまりオフチェーンの画像NFTを買うということは画像データや画像データの所有権を買うことではありません。「その画像データのありかを示す地図の場所を記したもののオーナーになる」ということです。
オフチェーンNFTを買うということは、多くの場合、地図の場所を買うということです。— FX Uki (@7shou7kin) December 18, 2021
なんで、画像自体を安全な場所に保存しないのか。
理由は、普通の画像は容量が大きすぎて、ブロックチェーンに書き込めないからです。
ブロックチェーンには、テキスト情報程度しか書き込めません。
しかたなく、画像を外部に保存しています。決して安全な管理方法ではないんです。
一方、CryptoPunksはドット絵のNFT。
ドット絵は容量が小さいため、画像ごとブロックチェーン上に保存できます。
データの書き換えや消失の心配がなく、ほぼ永久的に保有できるNFTの1つです。
画像ごとブロックチェーンに書き込んだNFTをフルオンチェーンと呼びます。画像をブロックチェーンの外に保存したNFTは、オフチェーンと呼ばれます。
CryptoPunksも当初、オフチェーンではなかったのですが、2021年の8月19日にフルオンチェーン化。ほぼ永続的な保有が可能になりました。
【CryptoPunksがフルオンチェーン化し、画像ごとブロックチェーンに保存されるようになったと発表】
The Cryptopunks are now fully on chain! The images and attributes are now stored in this contract: https://t.co/YrZWfIoNxo Read more here: https://t.co/waXqXPMPp4 Thank you to @ArtOnBlockchain and @_deafbeef for motivating and initiating this project!
— Larva Labs (@larvalabs) August 18, 2021
失われる危険性が限りなく少ない、これもCryptoPunksが一般的なNFTよりも価値が高いとされる理由です。
CryptoPunksのメリットをまとめると、以下の通りです。
- 社会的なステータスを得られる
- NFT関連の新プロジェクトや限定コミュニティに参加できる
- 将来、価値が上がる可能性が高い
- 永久に持ち続けられる資産
などなど、今わかっているだけでも多くの所有価値があります。
まだまだNFTは発展途上、今後のCryptoPunksの可能性にも投資しているのでしょう。
イーサリアムを購入するところから
引用元:Ethereum公式サイト
CryptoPunksはさすがに買えないけど、NFTを始めてみたい、購入してみたい。
そんな人は、イーサリアムを購入するところから始めてください。
NFTは、主にイーサリアムで購入します。
世界最大手の「OpenSea」も、イーサリアムに対応したNFTマーケットです。安いものだと、数千円でも買えます。
引用元:OpenSea
イーサリアムの購入に必要なのは、仮想通貨取引所の口座とウォレットの2つ。
口座をお持ちでない人は、CoinCheckやGMOコインなど、国内の仮想通貨取引所で口座を開設しましょう。
ウォレットは電子版の財布、仮想通貨を保管できます。NFTを購入するために、ウォレットの作成が必須です。
これからNFTに参入するなら、「MetaMask(メタマスク)」と呼ばれるウォレットがおすすめ。MetaMaskに対応するNFTマーケットが多いからです。
MetaMaskの始め方やイーサリアムの買い方は、以下の記事で画像付きで解説しています。
GoogleChromeが使えるパソコンか、スマホがあれば、MetaMaskを始められます。
NFTは2022年も熱い!?
NFTはまだまだ発展途上、一般層に広まるまでには時間がかかります。
2022年もNFTは盛り上がるので、今のうちからNFTを始めてみましょう。
「NFTの購入は少しハードルが高い」という人は、NFTゲームがおすすめです。
遊びながら仮想通貨を稼げます。無料でもできるゲームから手をつけてみてください。