DeFiが本当に理解できない人へ送る”DeFiきほんのき”

「2020年夏、仮想通貨投資よりも莫大な利益が得られた!」というニュースが飛び交い、突然、色々な人が興味を持ち始めた「DeFi」。

ニュースが賑わってから1年がたち、国内でもDeFiについてのニュースが増え、仮想通貨業界でも注目の的となっています。

DeFiについて知ろうと、ネットで検索しても、「DeFiは分散型金融のことで...」と難しい説明ばかりでなんのことかさっぱりわからない...

  • 仮想通貨と何が違うの?
  • 普段使ってる銀行や証券会社と何が違うの?
  • DeFiを使うと、どんなメリットがあるの?

DeFiに対する疑問が尽きないのに、ウェブサイトを歩き回っても、一向に理解が進まない。この記事では、どこよりも詳しく・優しく・丁寧に説明します

 

「分散型金融」は金融サービスの理想形

従来の金融サービスと比べると、DeFiについてわかりやすくなります

現在、銀行や証券、他にもクレジットカードといった金融機関には、以下の課題があります。

  • 手続きがめんどくさい
  • 営業時間が決まってて、好きなタイミングで使えない
  • お金を送ったり受け取ったりするのに、時間がかかる

はじめての利用なら、お金を預けるだけでも手間がかかります。

とら
すでに利用者が多いということは、今後伸びそうな通貨だね

他に取引手段がないし、「銀行や証券会社に任せておけば大丈夫でしょ」みたいな安心感があったため、そこまで気になりませんよね。

でも、銀行や証券会社、クレジットカード会社にせよ、1つの会社や企業に頼りきっているって思うと少し不安ですよね。

とら
でも、もし銀行がつぶれてもお金は返ってくるよね?

たしかに、預けたお金は保証されているので、もしもの時もお金は返ってきます。

つぶれないと思っていても、運営側が苦しくなることはあります。自分の企業がピンチになった時、企業は自分を守ろうとするので、真っ先に犠牲になるのは私たち利用者です。

極端な話、銀行が預金封鎖して「明日からしばらくお金が引き出せません。」と決まったら何もできません。できることは、銀行が再開するのを待つことだけ。

世界でも預金封鎖された例があります。日本では80年ほど前に預金封鎖された事例がありました。

「銀行とか証券会社に頼りっきりじゃヤバイかも...」疑問に思った人たちが立ち上げたのが、DeFiという金融サービスです。

DeFiとは、銀行や証券会社のような中央管理者が居ないのにも関わらず、お金を出す人も受け取る人も、安心してできる金融サービス。だと理解しましょう。

今までは、お金を送ったり受け取ったりする時にも、仲介業者が必要でした。なぜなら、お金がちゃんと届くか不安だからです。

信用できる仲介業者が間にいることで、他の人とも取引を行うことができました。その反面、人があいだに入ることで、人件費や手間がかかります

しかし、 DeFiなら仲介が必要なく、世界中の人との取引が可能です。決済や証券以外にも、融資や保険がDeFiの技術を使って提供できます。

とら
でも管理者がいないと、ちゃんと取引ができるか心配だよね。

管理者がいなくても取引が成立するのは、取引が事前に設定されたプログラムによって実行されるからです。

とら
人が管理していないから、コストを削減できるんだね。

取引は暗号化された状態で公開されているため、誰かが不正をはたらくとすぐ誰かが気付きます。そのため、不正や改ざんのリスクが少なく、円滑に取引ができるのです。

【図解】今までの金融サービスとDeFi の比較

とら
みんなが管理しているから悪さができないって仕組みなんだね。

一部の人間だけでなく、みんなで管理しているから安全に取引できる。そして、取引が人を介さず直接やりとりできる、これがDeFiです。

企業や会社に依存せずに、みんなで管理していることから、分散型の金融という名前がつきました。

 

DeFiのメリット

 

取引がスムーズ

人を介さないため、取引に時間がかからず、円滑に取引が行えます。通常であれば数日かかる送金も、DeFiなら数分で完了する場合もあります。

また営業時間も決まっていないため、24時間、好きなタイミングで取引できるのも特徴です。

 

金融機関よりも手数料が安い

中央管理者がいないため、人件費などのコストを大幅にカットできて、手数料が安く済ませられます

 

審査がいらず誰でも利用できる

金融機関では審査や手続きがあるため、誰もが利用できるわけではありません。

しかし、DeFiは「取引がプログラムで必ず行われる」という信用があるため、取引する人の審査が不要です。そのため、誰でも利用しやすいというメリットがあります。

口座を持てない人でも取引が可能なので、利用者にとってはありがたいですね。

 

DeFiのデメリット

利用者の増加で不便になる可能性も

金融機関を介さないことで、手数料は基本的に安く抑えられていますが、過去には手数料が高騰することもありました。

DeFiが普及することで、利用者が増えるとシステムに負荷がかかるため、取引の遅延が起こります。

今後、この問題は解決されていくと思いますが、こういったリスクもあります。

 

規制がまだ整っていないためリスクがある

DeFiを使ったサービスは、最近できたものです。従来の金融サービスとは違うため、法規制など、まだ整備がなされていません。また、中央管理者がおらず、トラブルに巻き込まれても責任を負うのは自分です。

金融機関なら、運営者側が責任を追って補償してくれますが、中央管理者のいないDeFiではそうもいきません。犯罪に悪用されるといったリスクも抱えた状態です。

これからルールが少しずつ定まっていくでしょうが、法整備にはもう少しかかるでしょう。

DeFiのサービスの中には、金融庁の認可が降りていないサービスもあるので、ご利用の際は気をつけましょう。

 

DeFiを利用した仮想通貨取引所「DEX」

中央管理者なしで取引できる「DeFi」という金融サービス。このDeFiを利用した仮想通貨の取引所が「DEX」です。主に、3つのメリットがあります。

  • 本人確認などの面倒な手続きが不要
  • 手数料が安い
  • いつでも取引ができる

一方、通常の仮想通貨取引所は「CEX」と呼ばれていて、企業が通貨を管理してユーザーとの取引を行っています。

しかし、CEXの仕組みでは、どうしても運営する企業に頼るため、サーバーのハッキングなど、もしもの時にはユーザーに損害が出ます。

そういったリスクを分散するために、DEXも利用し始めるユーザーが増え始めています。過去には、仮想通貨が盗まれ、倒産した事例もあるからです。

当然、DEXにもリスクはありますが、主にウォレットアプリで管理しており、仮に取引所がハッキングされても、自分のウォレットは無事です。

とら
DEXだと、自分のお金は自分で守るってことだね。

資金を守るためにも、DEXを利用するのもいいでしょう。

DEXは当初、利用者が多くないと通貨が循環しないため、取引までに時間がかかるといったデメリットがありました。しかし、最近ではその問題点が改善され、スムーズな取引が可能になってます。

 

DeFiの導入事例

DeFiの技術が実際に運用された例をみていきましょう。

 

仮想通貨取引所Uniswap・PancakeSwap

DeFiの導入例:Uniswap

引用元:Uniswap公式

UniswapはDEXを代表する取引所の1つで、利用者が多く、1500種類以上の仮想通貨を取り扱っています。PancakeSwapは、Uniswap同様、仲介人を必要としない取引所(DEX)の1つです。

ウォレットアプリと連携することで、安全に自分の資産を管理できます

DEXは企業が間に入らないため、利用者が少ないと取引に合うユーザーが見つからず、取引までに時間がかかる問題がありました。

つまり、交換する通貨などが不足していたのです。

そこで、利用者が資金や通貨を預けて、その報酬にトークンをもらえる仕組みを採用しました。これによって取引所の金庫には、ユーザーからの資金がたくさん入り、取引がスムーズになりました。

【図解】利用者が資金をプールすることで、取引がスムーズになる仕組み

Uniswapでは、利用者が資金を預けることで「UNI」トークン、PancakeSwapでは「Cake」がもらえます。これらのトークンは、換金したり他の通貨に変えたりできます。

  • ユーザーは仮想通貨を預ける代わりにトークンをもらって稼げる
  • Uniswapは元手の仮想通貨が増えて、取引を円滑にできる

このようにWinWinが成り立つことで、DEXの利用者が増えてきています。

 

Compound

DeFiの導入例:PancakeSwap

引用元:Compound公式Twitter

Compoundは2018年から始まっており、仲介人が不在でお金を貸し借りができるサービスです。

とら
お金を貸す人にメリットあるの?

お金を預ける人は、銀行より高い金利を得ることができることと、利用実績によって、「COMP」というトークンがもらえることがメリットです。

COMPは、Compoundが新しいプロジェクトや機能の開発など、決定事項がある時に投票する機能があるトークン。最近では、Coinbaseに上場したことで価格が上がり、COMPトークンでの利益を狙って、たくさんの資金を預けるユーザーも増えました。

トークン「COMP」のチャート

引用元:CoinMarketCap

通常、お金の貸し借りを行う場合は、審査が必要なので時間がかかります。

一方、Compoundは仲介者なしのサービスなので、迅速に取引が成立します。当然、借りた側には利息も発生する仕組みです。

とら
ちゃんとお金を返さない人もいるんじゃないの?

返済しないといった事態にならないよう、預け入れ資産に対して3分の2以下のまでしか借りられないという制度を設けています。

ユーザーの資金をうまく回すことで、スムーズな取引を実現させています。

 

DeFiは運営者不要の新しい金融サービス

DeFiは管理者に依存せず、プログラムが自動で取引を実行する金融サービスです。まだまだリスクはあるものの、大幅な人員削減やスムーズな取引ができる大きな可能性を秘めたサービスです。